2019年7月31日水曜日

7/27 撮影会

7月27日土曜日、今年度第一回目の撮影会が開催されました。

台風6号による大雨の予報もされる中、メンバーの日頃の行いがいいせいか(?)、傘の出番はありませんでした。参加者は11名。

むしろ暑すぎて、早く反省会で水分補給を!との声もあったくらい。


14時に汐留駅に集合し、そのあとカレッタ汐留の46階で、現在の築地を見下ろしました。なかなかの穴場と思いきや、意外にお客さんひきもきらず、という感じでした。

そこから浜離宮に移動、ワンポイント講座「後ろ姿の撮り方」を行い、約1時間撮影を行いました。
その後、築地大橋を渡り勝どき方面へ。

浜離宮は都心近くとは思えない落ち着いたたたずまいで、今回の撮影会があってはじめて来ました。来て良かった。との感想も。

「後ろ姿の撮り方」は…。ずばり、「難しい」! とのことで……

がんばりましょう~

2019年7月14日日曜日

「銀塩」って何…?(最後に)

四回に渡ってお送りしてきた「銀塩って何?」シリーズ、いかがだったでしょうか。

大まかに
その1:モノクロフィルムについて
その2:現像とモノクロプリントについて
その3:カラーフィルムについて
その4:カラープリントとリバーサルフィルムについて
つらつらと書いてみました。
あちこち話が飛んだり論旨が乱れたり、読みにくいところはご容赦くださいませ。
説明が間違ってたり、分かりにくいところがあったらご指摘いただけるとありがたいです。


今や写真と言えばデジタルカメラ(やスマートフォン)。
ではありますが、例えばデジタルカメラの画像を作る重要な部品、イメージセンサーですが、あれだってじつは「ハロゲン化銀」と同様に、明るさだけに反応していて、色は認識しないんです。
明るさを測るセンサーをたくさん並べて、そのセンサーの前に色フィルターを置くことで、それぞれ個別の色の明るさを色ごとに別々にデータ化して、あとからいろいろ計算してカラー画像にしています。
なんだか、カラーフィルム実現のアイディアが活かされてるような気が……しませんか?


なーんてことを書いてると、もしかしたら、「銀塩写真って難しそう」とか、「そんな知識が必要なの?」とか、「美写ってそういうひとばっかりなの??」とか、思われてしまったかもしれません…

が……

まったくそんなことはありません!!!

フィルムが何でできてるか、なんて知らなくても写真は撮れるし、フィルムで撮ってプリントした感じが好き、だとしたらもうそれでじゅうぶんですし、美写メンバーの99%は発色カプラーなんて知りません!(言い過ぎ?)


やっぱり銀塩写真って楽しいので(デジタルも楽しいです。何というか、楽しさの拡がり具合が、銀塩とデジタルで重なってるところと、デジタルにしかないところと、銀塩でだけ楽しめる、ところがあるのかなあ?、と思ったりしてますが)、ちょっとでも「銀塩写真」に興味を持ってもらえたら嬉しいなあ。と思います。

そして、面白そう、と思ったらぜひ、美写に遊びに来てください。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!

2019年7月13日土曜日

「銀塩」って何…?(その4)

前回の続きで、カラーフィルムの現像について。
フィルムの銀画像を現像する薬品が反応の結果、酸化物になるのを利用して発色現像をする、という、よくこんな仕組みを思いついて製品化しもんだなあ、というところから。

確かにこれなら、カラー専用カメラ、なんてものを別に開発しなくても、それまでモノクロフィルムを使っていたカメラに入れてそのまま撮影すれば、他は何も替えなくてもカラー写真が撮れちゃう(まあ、レンズの性能が、とかいう話はさておいて)。

もし仮に、それぞれの色に応じてそれぞれが同じように感光する材料をいろいろ用意してカラーフィルムを開発するとしたら大変です。しかし、感光の部分は従来通り銀にまかせておいて、色になるところだけを実現する。カメラマンはモノクロ時代と同じように露出を決めて撮影すれば、ちゃんとカラー写真が撮れるようになる、という解決策。いやほんと、知れば知るほどよく出来ています。

ともあれ、こうしてハロゲン化銀の現像が終わったフィルムには、発色しなかったカプラーと、画像にならなかったハロゲン化銀と、モノクロ画像になった銀、が残ります。

そして、これらの銀はカラー写真には不要なので、現像プロセスの後半で、ぜんぶ取り除いてしまいます。

プリントするときのカラー印画紙も、繰り返しになるので割愛しますが、同じ仕組みでカラー画像をつくり、銀は取り除いてしまうので残ってない、というわけなのです。

そうそう、ネガフィルムでは明るさ暗さが逆になってるのと同じく、色についても逆になっています。補色、といって、赤だったものはシアンに。緑はマゼンタ、青は黄色に、それぞれ発色しています。これをもう一回、カラー印画紙に投影して現像すると、もう一度逆になって、もとどおりの赤緑青になる、という仕掛けです。


なおカラーフィルムには、プリントを前提にしたネガフィルムとは別に、現像すると本来の色(ネガの反対なので、ポジという)になるフィルムがあります。ネガカラーに比べてコントラストが高くて、鮮やかな色彩が得られるのが特徴。
スライド上映して大勢で見たり(別に一人で見てもいいけど)、かつては商業出版印刷の写真原稿として使われていました。

リバーサルフィルム。スリーブ(左)とスライド用のマウント仕上げ(右)

このポジフィルムも、一番最初に感光するところは同じくハロゲン化銀です。そのままだとネガになってしまうので、発色の前に明暗を逆にする、「反転現像」という手順が入ります。反転、リバース、なので、この処理をするフィルムのことをリバーサルフィルムといいます。
その後はカラーネガと同様の発色現像が続くのですが、ネガと違うのは補色ではなくて、もともとの色(原色)が出るタイプの発色カプラーが塗ってある、というところです。
現像の後半でネガと同じく、銀はすべて取り除かれて、透明なベースの上に見た目と同じ色彩の画像が写ったフィルムができあがります。

そんなこんなで、カラーフィルムもカラープリントも、やっぱり「銀塩写真」の一種、なのでした。


ちなみに、ネガでもポジでも、なんてったって貴金属「銀」なので、現像所などで処理して取り除いた後の銀は、メーカーが回収してリサイクルしているそうですよ。捨てちゃったらもったいないですもんね。

2019年7月12日金曜日

「銀塩」って何…?(その3)

ネガカラーフィルムとモノクロフィルム

この「銀塩」って何? シリーズ、その1では主にフィルムについて、その2で現像とプリントについて、ざっくりと説明してみました。

ですが、写真ってモノクロだけではないですよね。カラー写真というものがあります。むしろカラーのほうが一般的でしょう。美写の写真展『街角遭遇2019』でも、半分近くがカラープリントでした。

あれも銀塩写真と呼んでいるけれど、銀なのでしょうか。綺麗な色が付いてるけど…??

最初に答えを書いてしまうと、完成したプリントの画像はすべて色素でできていて、銀は入っていません。現像したフィルムも、画像をつくっているのは色素で、やはり銀はありません。

より正確に言うと、「銀は使われてたけど残っていない」です。…と書くと、昔のカラー写真には銀が使われていたけど、現代の写真には使われてないのかな、と誤解されそうですのであわてて補足説明してみます。

カラー写真は、撮影したばっかりのときには銀塩モノクロなんです。えっ???

じつは、モノクロフィルムと同じく、カメラに入れてシャッターを切ると「ハロゲン化銀」に光に当たって潜像核ができる。ここまではカラーフィルムでもまったく同じなのです。

この撮影したフィルムを現像するときに、ちょっとした仕掛けがあります。

現像は「還元反応」だ、という説明をちらっとしましたが、還元すると副生成物として酸化物ができます。ええと、ややこしいのではしょりますが、現像した分量(=当たった光の強さ)と同じだけ、廃棄物みたいなものができるということです。

これはモノクロのときは文字通り廃棄物で、いらないから捨てちゃうのですが、カラーフィルムの場合は、この生成された酸化物に反応して色が出る、「発色カプラー」というものがフィルムに塗り込んであるのです。

色というのはそれぞれ光の屈折率が違うので、うまいこと赤、緑、青に反応する発色カプラーを重ねてフィルムに塗っておくことで、それぞれの色が出現し、できあがりを見るとちゃんとカラー画像になる、というわけ。この現像をカラーの場合は「発色現像」といいます。

現像量に応じて発色量が決まるので、現像されなかった(=光に当たらなかった)部分は、カプラーが反応しないので色は出ません。

結果的に、モノクロだったら銀の濃淡になるのと同じ場所に、同じ具合の濃淡で、色素による色が付いた映像が写っている、というメカニズムになっています。

(後半に続きます)

2019年7月7日日曜日

「銀塩」って何…?(その2)


前回の続きです。

金属の銀と、「ハロゲン族」の元素の化合物『銀塩』を透明なフィルムに塗ってゼラチンで固めたものが写真用フィルムです。ハロゲン族と化合した銀だから、「ハロゲン化銀」とも言います。
これに光が当たると性質が変わるのですが、じつは光に当たっただけでは見た目にはわかりません。
ここで「現像」という作業が出てきます。

すごく大雑把にいうと、カメラの中で一瞬、光を浴びたフィルムには、さまざまな光の強さによって変化の「中心」ができます。
現像のプロセスは、この中心(潜像核という)を育てて大きくして、感光した「ハロゲン化銀」を、当たった光の強さに応じて「銀」に戻していく作業です。戻す、を理科の言葉で言うと、還元反応、ってやつの一種ですね。

必要なだけ反応が進んだら、銀に戻らなかったハロゲン化銀は、つまり光が当たらなかった=画像にならなかった部分、なわけなので、「定着」という作業で取り除いてしまいます。
こうして、透明なフィルムの上に、強く光が当たったところはより黒く、当たらなかったところは透明に近く、濃淡を持った画像ができあがります。
実際の景色の見た目とは濃い薄いが逆になっているので、ネガティブ、反対の、という意味の「ネガ」フィルムです。

今度は暗室でこのフィルムに電球の光を当てて、紙の上に「ハロゲン化銀」を塗ってゼラチンで固めたもの、つまり「印画紙」に投影してやります。カメラで撮影したときとまったく同じように、光がたくさん当たったところがより強く、当たらなかったところはより弱く、印画紙上のハロゲン化銀が反応していきます。
そしてフィルムと同じように、「現像」「定着」します。白い紙の上に、銀が黒く、濃淡で表現されたモノクロプリントができあがり。
かっこよく「ゼラチンシルバープリント」なんて言い方もありますよ。

さきほどの説明で、現像したフィルム上で黒い部分は、もともと撮影した景色では光が多かった部分。透明な部分は、光が少なかった部分でした。
もう一回、印画紙に光を当てるときには、フィルム上で黒い部分は印画紙には光が届かず、紙の白さに近く明るくなり、フィルム上で透明に近い部分は、たくさん光を通すので印画紙はたくさん感光して黒く暗くなる。
もともとの景色で中間の明るさは、フィルムでも中間、印画紙でも中間になります。
(これがいわゆる18%グレー、平均反射率というものだったりします)

というわけで、ネガからプリントをつくると、撮影したかった対象と同じ濃淡が再現できるのです。もちろん、撮影に失敗してなければ! ですけどね。


余談ですが、フィルムの場合はモノクロフィルムといえども、写す対象はとうぜんフルカラーの世界なので、赤だろうと青だろうと、ちゃんと感光して写るようにできています。
いっぽうで印画紙に引き伸ばす時点では、もうフィルム上にはモノクロの濃淡しかないので、色の違いを意識する必要はなく、多くの印画紙は赤い光には反応しないように作ってあります。暗室内で赤い電球のなかで、紙を拡げたり現像液に浸けたりできるのはこの性質のおかげ。
なので、フィルムは完全な真っ暗で取り扱う必要がありますが、印画紙は制限付きで灯りが使える。印画紙を手探りだけで扱うのはものすごく大変ですから、なかなかよくできた仕組みだと思います。

2019年7月6日土曜日

「銀塩」って何…?(その1)



写真展の受付をしているとき、見に来てくれた方に「デジタル写真を加工して白黒にしてるんじゃないんですか!」と聞かれて、いやいや最初からモノクロなんですよー、などと答えていたのですが、『銀塩写真サークル』『銀塩写真展』を名乗っていても、うまく説明できなかったなあ、と思いまして、ちょっとここでまとめてみようかと。

まずギンエンの「銀」。これは文字通り本当にあの金銀銅の「銀」でして、シルバーアクセやら銀食器やら銀メダルやらに使われる、貴金属の「銀」です。写真は銀色に光ってないじゃないか、と思われそうですが、ともかくあのモノクロプリントの黒い部分はほんとに「銀」でできているのです。

そして「塩」。しお、じゃなくてエンと読む場合は、何かと何かの化合物、という意味合いになります。中学校の理科の実験で、塩酸とナトリウムを中和させて「食塩」を作った経験があるかも知れません。塩化ナトリウム、とか言いますね。同様に、写真の感光材料は、金属の「銀」と、何かとの化合物なのです。ではその何か、とは何か?

水兵りーべー僕の船、で有名な(?)元素周期表というのを見たことがあるかと思います。水素・ヘリウム・リチウム…、と、世の中の元素を軽い順(原子量の順)に並べて表にしたもの。縦の列の元素が似たような性質を持っています。これの、右から二番目、第17属、といいますが、この列の元素グループのことを「ハロゲン属」といいます。高校の化学か物理で習ったかも知れません。覚え方は「ふっくらブラジ(以下自粛)

…この、ハロゲン属の原子と、金属銀との化合物が、光が当たると黒くなる(というかまあ、性質が変わる)ことが分かって、写真の材料として使われるようになったのです。主に、上から二番目の塩素、三番目の臭素、四番目のヨウ素、と銀との化合物、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、まとめて『銀塩』、の結晶をいろいろ混ぜて、ゼラチンで固めてフィルムや紙に塗ったもの。これが今も使われている写真材料の基本なのです。

映画スターなんかのピンナップ写真を引き伸ばした商品を「ブロマイド」と呼んだりします。最近ではすっかり死語の感がありますけども、あの「ブロ」は「ブロム」から来ていて、原子番号35、原子記号Br、のBromine、臭素のことだったのですね。

(続きます)